底辺からの視線

中年親父目線で気づいたことを雑記的に書き殴るブログ

望むポジションがあるなら、努力の前にやることがある

こんな話をすると夢も希望もないのですが、面白い仕事をしているポジションについている人間は類稀なる才能と地道な努力によって勝ち取ったなんてことはありません。

実際には、どれだけ努力をしても理想とするポジションになるということは、ほとんどありません。人が育ってポジションに相応しい人材になるということはなくて、無理矢理、そのポジションを経験するから、そのポジションに相応しい人間になるというのが現実です。

プロジェクトリーダーを演じることで、プロジェクトリーダーとしての役割を覚え、いつの間にか、一人前のプロジェクトリーダーとして認められるようになるのです。

「プロジェクトリーダーになりたい」と思うのであれば、仕事をそこそこ覚えたら、プロジェクトリーダーを実際に経験するのがイチバン効率が良くて、一生懸命努力をする必要なんてありません。「まだ出来そうにないから」なんて逃げていても、プロジェクトリーダーとしてのスキルは身に付かず、いつまで経っても理想のポジションにつくことは出来ません。

自信がなくても、とりあえず理想のポジションの仕事をしてみることが大切です。

とりあえず、やってみることが大切

僕が理想とする会社でのポジションは『会社のお荷物』で、仕事をしないでお気楽に働くことだったのですが、不運にも『プロジェクトリーダー』という面倒くさそうで、大変そうなポジションに本人の意思に関係なく、収められてしまいました。

以下の投稿の続きです。

仕事ができる人間のポジションに最速でつく方法 - 底辺からの視線

とは言っても、右も左も分からないポジションで、何をして良いかも分からず、メンバーの方々に言われたことを僕なりに理解して、周りと調整をすること、そして多大に発生する雑用を一手に引き受け、怖い人たちの前で進捗と問題点を報告し、胃が縮む思いをしながら質疑応答に答える・・・。なんか、最初に言われたこととは違うけど、言われたことはしっかりとやらないと僕の存在価値がない訳で必死に食らいつき、理不尽なことでも淡々とこなしていました。

「ようわからんけど、言われたことをどうやって解決するか」しか考えておらず、みんなの雑用係として、メンバーの方々が動きやすいようにあちこちに顔を出し、調整をしていただけで、プロジェクトのマネジメントとか、リーダーシップなんて知らないから、次から次へと発生することを片っ端から片付けていくだけ。

からみ酒に見舞われる

そんな多忙な時期に、参加したくない同期会という名の飲み会、仕事をしている人間の自慢大会に参加することになりました。僕は相変わらず、下座の女子たちと和気あいあいと花火大会や夏祭りの話題で盛り上がり、女子たちの浴衣姿を想像し、そんな女子たちと楽しい『ひと夏の思い出』を作る方法を必死に考えていました。

上座のバリバリ仕事を頑張り、会社に貢献をすることに命をかける企業戦士、社畜、仕事人間とは違い、僕は『出世レース』にも興味がないし、会社からの評価なんて気にしておらず、クビにならない程度に仕事をする。と公言をしていたのに、噂が噂を呼び、同期の中でも『実は仕事ができる人』なんて僕が望まないレッテルを貼られてしまっていたのです。

「ひらめさん。お疲れっ!」

いつもは上座から動かない奴が珍しく下座の僕の目の前に移動をしてきました。

「うん。お疲れ」

「なんか、大変なプロジェクトを任されたらしいですね」

「大変かは知らんけど、やってるよ」

「上手く行きそうなんですか?」

「まあ、順調だよ」

「プロジェクトリーダーって大変ですよね?」

「そんなことはない。というか、仕事の話したくない。酒が不味くなる」

「なんか、冷たいっすね。仕事ができる男は違うっていうか・・・」

「喧嘩売ってんの?」

なんとなく不穏な空気が流れ始めてきたとき、奈央と恭子ちゃんがすっ飛んできて、僕たちの間に入ってくれました。

「ほらほら、からまない。席戻るよ」

恭子ちゃんが絡んできた男を上座に連れて行ってくれ、奈央は僕のところにきて

「ひらめ。イライラしないっ」

「だってあいつが・・・」

「良いから、ねっ」

(めっちゃ目が怖い・・・。睨まないでください・・・)

「だって・・・」

「恭子、ひらめ、連れて出るから、後よろしく!!」

ということで奈央に連れ出されることに・・・。店の外に出ても、何かモヤモヤしていて、興奮冷めやらぬ僕の腕を押さえながら

「本当に大人げない・・・」

「絡んできたの向こうだし・・・。マジでムカつく・・・」

「ひらめ、落ち着けっ!!」

(マジでムカつく・・・。ぶっ飛ばしてやろうか・・・)

「奈央さん、おっぱい当たってる・・・」

「いいから。落ち着け!」

奈央は僕の腕にしがみつき、引きずるように駅とは反対方向に連れて行きました。少し落ち着いてきたので

「奈央さん、おっぱい・・・。大丈夫だから・・・」

「落ち着いた? 大丈夫?」

「うん。ごめん・・・」

少し落ち着いてくると、僕を掴んで離さない奈央が震えていることに気づき本当に申し訳なく思いました。

「ごめんね・・・。ガキくさかったね・・・。もう大丈夫。落ち着いた・・・」

「うん」

なんか、良い雰囲気になり、奈央を抱きしめてあげようか・・・なんて思っていたら、奈央のケータイに恭子ちゃんから着信。

「もしもし。うん、こっちは落ち着いた・・・。うん、うん、分かった。うん・・・、じゃあね」

電話を切った奈央を見下ろすと

「みんな、解散したって。恭子たち飲み直すらしいから行くよ」

「えっ? 良いじゃん。行かなくても・・・」

「迷惑をかけたんだから、頭を下げる!」

奈央の話では、まだ駅に男子たちがいるかもしれないから、恭子ちゃんたちがいる隣駅のお店までは歩いて移動するということです。

「ひらめ。本当に子供っぽいよね・・・」

「ごめん・・・」

「らしいと言えば、らしいんだけど・・・」

女子に囲まれての二次会

お店に着くと恭子ちゃんをはじめ、飲み会に参加していた女子のほとんどが集まっていました。

「あれっ? 何で腕組んでるの? 出来てる?」

なんてゲスな質問をしてくる恭子ちゃん・・・。僕はすっかり落ち着いていたんだけど、奈央はずっと僕の腕を掴んだままで、忘れていたようです。焦って腕を離す・・・。

「違う違う。ひらめが暴走しないように捕まえていただけだよ」

「なんか、怪しいんだよな・・・」

(恭子ちゃん、なんか勘が冴えてるんだよな・・・)

「しょうがないじゃん。俺だよ。奈央さんじゃなくても惚れるでしょ? 恭子ちゃんだって俺と二人きりになったら、あんなことやこんなこと・・・妄想するでしょ?」

「ないない。アハハハ。まあ良いや。座って」

「その前に・・・。本当にごめん。楽しい飲み会だったのに、クソガキみたいな行動、言動を行い、皆様に多大なご迷惑をお掛けしました。心から反省しています。申し訳ありませんでした」

と奈央に言われたように頭を下げました。

「ということで、今日はひらめの奢り。ねっ?」

「待て待て。奈央さん、何人いると思ってるの?」

痛い出費だけど、迷惑料ですよね・・・。勉強になりました・・・。

以下の投稿に続きます。

男のメンツなんてくだらない。女子に押し付けるものではない - 底辺からの視線