底辺からの視線

中年親父目線で気づいたことを雑記的に書き殴るブログ

お前は、俺の息子を馬鹿にしてるのか!!

僕は、社長とその家族が全ての株を持ち、経営の実権を握っているオーナー企業で働いている。社長も七〇歳になり、そろそろ会社の存続が気になるお年頃になってきた。もちろん、我々従業員は、会社が潰れたら食い扶持が無くなるので、会社の将来を考える社長様には、頭が上がらない。普通なら引退して悠々自適な生活を送っていても誰も文句は言わず、どちらかと言えば、皆から感謝されるはずである。だが、これまでは一枚岩で社長を支えていた従業員に歪みが生まれてきた。その理由が『ご子息』である。

社長にはすでに、先頭に立ち、皆を引っ張り、憧れだった後ろ姿は今はない。事業継続者のご子息を庇う親としての姿が、滑稽で、見ていて悲しくなるのだ。少なくとも、僕は同じ父親の立場として、ドン引きしてしまう。ご子息が可愛いと思う親心は、十分理解できる。そして、ご子息の能力の低さ、人望、やる気、責任感の無さを痛感しているからこその社長の言動、行動だと言うのも薄々は感じている。

つい、この前も皆の前で「お前は、俺の息子を馬鹿にしているのか!!」と同僚を叱咤した。言われた本人を庇う訳ではないが、彼は誰とでも良い関係を築き、仕事中もいつも楽しそうにしている男で、側から見ても、社長のご子息を馬鹿にしているようには見えない。ほとんどの従業員は、ご子息のことを相手にしていないのに、叱咤された彼だけは、他の従業員と社長のご子息の区別なく接している。強いて言えば、彼は仕事は出来るが、社会人として、会社や上司に媚を売ると言った能力が欠如している。先輩後輩などの上下関係は上手くこなしているのだが、上司や会社に媚を売ることがない。そこが彼の魅力でもあるのだが・・・。話が逸れた。

怒鳴られた本人はともかく、社長のこの言動で、その場にいた人間の脳裏に「あ、やばい・・・。この会社は終わってる・・・」との思いが浮かんだ事だろう。そんなに、ご子息が可愛いのか・・・会社のためを思って働いている従業員より、トンチンカンな言動や行動をして、従業員たちに多大な迷惑を掛けているご子息の肩を持つのか・・・将来真っ暗だ・・・と感じたのは僕だけではないはずだ。社長が、これまで築いてきた『従業員想いの親方気質』みたいなモノが一気に崩壊した。結局は、従業員よりご子息の幸せを望んでいるのが垣間見れてしまった。あと数年・・・定年までは存続して欲しい・・・。

ちなみに怒鳴られた本人は、別に気にする事なく、何なら皆と話をするネタが増えたと喜んでいるようだ。優男に見えて、結構肝が据わっているんだよな(笑)