底辺からの視線

中年親父目線で気づいたことを雑記的に書き殴るブログ

一人暮らしの家に女子が泊まったけど、手を出せなかった嘘のような本当の話

最初に断っておくと、僕は女性を崇め、神秘的な生き物という想いを抱いています。反面、本能の赴くまま、自分の性欲を満たすために理性を捨てて獣になることに対しての嫌悪感はありません。

生物として繁殖行為は本能であって、種の保存はDNAに刻まれた太古の昔から営んできたヒトという生物として必要なことで、男として優秀な遺伝子を女性に仕込み、元気で優秀な子孫を残すことは、何も恥ずかしがることではありません。むしろ、美しい行為で人類発展のためにはバンバン子作りに励む必要があるとすら思っています。

ただ過去にひとりだけ、手を出せなかった娘(仮に『奈央』とします)がいました。僕が一人暮らしをしていた部屋に連れ込んだのに「信じてる・・・」なんて言葉に縛られ、何も出来ませんでした・・・。

本来であれば、獣のようにお互いを求め合い、あんなことやこんなこと、さらには・・・なんて色々と妄想を実現するチャンスだったのですが、嘘みたいな本当の話です。

僕のメンツを保つために断っておくと、僕は童貞ではなかったし、奈央はとびっきり可愛く、いつでもエッチなことをするチャンスを伺っていました。なのに・・・

酔い潰れた娘をお持ち帰りする

この日は色々とあり、さらには慣れない社会人としての仕事とストレスで体力的にも精神的にも疲れていたんだと思います。普段の奈央なら酔うほどの量ではなかったので、急に酔い潰れた奈央に驚きました。

この日の出来事は以下の投稿をご覧ください。

望むポジションがあるなら、努力の前にやることがある - 底辺からの視線

男のメンツなんてくだらない。女子に押し付けるものではない - 底辺からの視線

好き勝手に生きていて諭されるのは分かるが・・・ - 底辺からの視線

終電間際から、二人で飲み始め、朝まで飲むつもりだったのに早々に奈央がダウン。終電も終わり「帰る」と言い出した奈央と駅まで向かい、タクシーに乗せようとすると運転手さんから「酔っ払いひとりじゃ乗せられない」と乗車拒否をされました。

「奈央、どうする?」

「うん。今日は恭子んちに泊まる・・・」

「恭子ちゃんに電話してみるから待っててね・・・」

夜中の2時前。恭子ちゃんのケータイに電話をしますが、出てくれません。

「・・・恭子ちゃん、出ない。どうしよう?」

「・・・」

「奈央? 聞いてる?」

駅前で座り込み、僕の肩に全体重をかけ、無防備に寝てしまった奈央・・・。タバコに火をつけ、ひとり作戦会議。

情報を整理すると、奈央は実家暮らしで母親に「今日は恭子の家に泊まる」と連絡。そして、僕と飲んでいて恭子ちゃんちには行っておらず、終電が行ってしまった駅前で座り込み寝ている。そして、僕は帰る家がある。

なんか、卑怯な気がするけど家に連れ込み、事実を作ってしまえば、恋人として・・・。いかんいかん。そんなクソみたいな行動を取ったら、会社での僕の立場が揺るいでしまう・・・。

「奈央、どうする? うち来る?」

「・・・」

ここにいても状況が変わるわけでもないし、僕も眠くなってきたので、とりあえず、社会人になって住み始めた我が家に連れて行くことにしました。

「奈央、行くよ」

深夜料金のタクシーに乗り、自宅へと向かう間もスヤスヤと眠る奈央を横目で見ながら、運転手さんと束の間の会話を楽しみ、家の近所のコンビニで降ろしてもらいました。

「奈央、着いたよ」

「うん・・・」

「コンビニで必要なモノ買って帰ろ。直ぐそこだから・・・」

「・・・うん」

「大丈夫?」

「奈央は大丈夫だけど・・・」

不安になるのは分かる。知らない土地に連れて来られ、男の家に泊まる・・・。普通に考えれば襲われても文句が言えないシチュエーションだし、さらに相手が信用ならぬ僕だし・・・。

「大丈夫、何もしない」

「うん。信じる・・・」

納得したのか、しないのかは別にして、とりあえず必要最低限の着替えと水、歯ブラシを購入してコンビニを後にしました。コンビニから我が家までの間、微妙な距離を感じながら、凄くドキドキしていました。

一人暮らしの家に二人きり

こんな美味しいシチュエーションは普通に考えてあり得ません。意中の娘と夜中の3時に家に二人きり・・・。何かが起きないハズはありません。

「ちょっと片付けるから待ってて」

「うん・・・」

と言っても、基本的に外食で帰ってきて寝るだけの部屋なので、散らかりようがありません。

カーテンを閉め、窓を開け、最終チェック。

(問題ないね・・・)

「どうぞ」

「・・・生活感がまるでない部屋だね・・・」

「確かに・・・」

リビングには学生時代から使っているレンジと冷蔵庫のみ、そして生活スペースにはシングルベッドとギター2本。そしてテレビ台とステレオだけ・・・。

「思ってたより広いし・・・」

「そうね。リビングは6畳あるし、こっちは8畳位?」

「・・・」

なんか、奈央の緊張感が伝わってきて、お互いに普段のようには話ができません。

「とりあえず、シャワー浴びてくる。好きにくつろいで」

「うん・・・」

ユニットバスでシャワーを浴び、いつも以上に念入りに身体を洗い、大きく膨らんだ身体の中心を隠しながら、Tシャツ、ハーフパンツに着替え、期待に胸を膨らまし、部屋に戻ると緊張感を隠しきれない奈央が小さく見えました。

「奈央さん、どうする?」

「シャワーは浴びたい・・・」

「うん。俺のTシャツとハーフパンツで良かったらパジャマにしてよ」

「・・・」

「何? どうした?」

「うんうん・・・。ひらめ、信じてるよ・・・」

しばしの沈黙・・・。奈央は床に座りながらカバンを抱きしめ、見上げていました・・・

(そんな目で見ないでください・・・。何もできなくなるじゃん・・・)

「俺、車で寝るし、好きに使って良いよ・・・。一応、逃げる時は鍵、閉めて行って。ここに置いとく。もしかしたら、奈央の寝込みを襲う奴がいるかも知れないから、俺が出たらチェーン掛けて」

本当は奈央とあんなことやこんなこと、無理矢理でも・・・なんて思っていたんだけど、「信じてる」なんて言われて、手を出せず逃げる小心者の僕がいました・・・。

タバコとケータイ、そして財布だけを持ち、濡れた髪のまま、愛車の待つ駐車場へ。駐車場の入り口で缶コーヒーを買い、赤い愛車の横に座り、タバコを吸いながら後悔をしました。紳士のフリをせず、いつも通り軽い男のまま、やることをやれば良かった・・・。くそ〜っ逃がした魚はデカい・・・。

まだまだチャンスはある。これからだよ。落ち込むな。ひらめっ!! なんて自分を慰めて、タバコの火を消し、空き缶を捨て、愛車の中に潜り込むと奈央からケータイに着信・・・。

「はい、ひらめ。どうした?」

「ありがと・・・」

「うん。おやすみ・・・」

「おやすみ」

 

好き勝手に生きていて諭されるのは分かるが・・・

昔々、今から20年以上も前の話。

くたびれた親父がピチピチの新入社員だった頃、まだまだクールビズなんて言葉もなく、クソ暑い夏でもスーツにネクタイが当たり前で、半袖のボタンダウンにノーネクタイで出勤する新人なんているはずもなかった時代。

多様性、ダイバーシティなんて言葉もなく、誰から同じ服装、同じ髪型。金太郎飴のように周りと同じじゃないと「変な奴」とか「変わり者」なんて呼ばれていたのですが、当時の僕は最先端、20年後のスタイルを貫き通していました。

そんな僕は会社では「変わった新人」として認識をされ、同期の女子からも奇妙奇天烈な人間だと思われていました。

女子たちは僕の知らないところで『ひらめの七不思議』などと陰口を叩き、こき下ろしていました。

その七不思議とは、記憶が曖昧ですが以下の7点でした。

  1. 馴れ馴れしいのにキモくない
  2. エロいのに行動しない
  3. 女好きなのに彼女がいない
  4. 自己中心的なのに嫌じゃない
  5. 態度が悪いのに可愛がられている
  6. 高学歴なのに頭が悪い
  7. 生活感がまるでない

要するに、一般人からすると行動が読めない『不思議ちゃん』だったようです。ただ、全ては人生をラクして生きるために必要な知恵であり、計算高く緻密に考えられた行動で、気が合いそうな人間だけが集まってくれ、僕のことが嫌いな人間は近寄ってこないようにするため、大袈裟にキャラを演じてた結果です。

当時は、特定の女子と仲良くなるより、広く浅く多くの女子と仲良くする方が楽しかったし、周りの女子たちも、そんな僕を求めている気がしていたのです。

ですが、そんな『不思議ちゃん』キャラは損をすると真剣に僕を叱ってくれた娘(仮に『奈央』とします)がいました。

以下の投稿の続きです。

男のメンツなんてくだらない。女子に押し付けるものではない - 底辺からの視線

色々とあった同期会、そして女子会に参加した後、イチバン迷惑をかけた奈央に詫びを入れるため、飲みに誘いました。もうすでに終電間際でダメ元でしたが「行くよ」とショートメールが返ってきました。

奈央と僕は、付き合っているわけではなく、ただ仲が良いだけなのですが、会社ではお酒が飲めないキャラを演じている奈央と飲み歩いているというのは、バツが悪いというか、なんとなく、みんなには内緒にしていました。

「奈央さん、大丈夫? 終電・・・」

「大丈夫。さっきママに『恭子んちに泊まる』って連絡しておいたから」

「えっ? 俺とお泊まり?」

「ひらめが本当に『エロいのに行動しない』か確認する?」

(・・・これは誘っているのか? からかっているのか?)

「行動しないなんて奈央さんに失礼でしょ? 行こう、すぐにホテ・・・」

「冗談に決まってんじゃん」

(だよね・・・)

「なんか奈央、疲れたよ・・・。お酒を飲まずにはいられない。行こう」

「うん」

東京の街は終電だろうが関係なく、いつでもお酒が飲めるのです。ということでちょっと雰囲気の良い半個室の居酒屋へ。

「「お疲れっ!」」

「奈央さん、今日は色々とご迷惑をおかけ致しました・・・」

「うん。本当に疲れた・・・」

「肩でもお揉み致しましょうか?」

「うん。お願い」

席を立ち、奈央の肩を揉む・・・。

「すげ〜凝ってんじゃん!」

「・・・気持ちいぃ」

奈央の良い香りに包まれながら、無言で肩をしばらく揉んでいました・・・。今日は本当に迷惑をかけたので、罪滅びしを兼ねて尽くそうと思っていました。

「ありがと。凄くラクになった」

「いえいえ。これくらいしか出来ませんので・・・」

「飲もう」

「うん」

奈央の正面の席に戻り、飲み始めると大きな眼を正面から見る感じで、なんとなく居心地が悪いというか、背筋をピンとしてしまいます。なんて思っていたら、急に奈央の目から涙が溢れ出てきました・・・。

(待て待て。どういうことだ? 何が起きている?)

「どうした?」

隣の席に移動して奈央の顔を覗き込むと僕の胸に顔を埋め、奈央が本気泣きをはじめました・・・

「どうした?」

無言で泣く奈央・・・。

「どうした?」

店員さんが空気を読んで、無言でおつまみをおいて行ってくれましたが、絶対に僕が泣かせたと思っているハズ・・・。

「奈央、どうしたの?」

「・・・怖かった・・・」

「何が? いつ?」

「・・・喧嘩見たの初めてだったから・・・」

「うん・・・。ごめん・・・」

「・・・女子たちは、みんな『ひらめ、よくやった!』って言ってたけど、奈央は怖かった・・・」

「うん・・・」

「・・・その後も、なんか、ずっと怖かった・・・。良かった、いつものひらめで・・・」

「うん。ごめん・・・」

「・・・そもそも、ひらめの態度が悪いから勘違いされるんだよ・・・」

「うん・・・」

奈央が泣き止むまで、しばらくそのまま、奈央に責められていました。

「落ち着いた?」

「うん。大丈夫・・・」

(大丈夫・・・だよね・・・)

「よし、飲もう」

「うん」

女子たちとの二次会まで、奈央は僕が喧嘩を売った側の悪者だと思っていたらしく、早くその場から退出させて落ち着かせなければならないと必死で、外に連れ出してからも、戻って殴りかかるんじゃないかとずっと不安だったそうです。

二次会で女子たちに細かい経緯を聞き、僕が喧嘩を売った側ではなかったので、ひと安心をしたのですが、そもそも挑発に乗ってしまった僕が気に入らなかったみたい。

「本当にくだらない、喧嘩なんてしても解決しないでしょ?」

「うん。ごめんて・・・」

「奈央と恭子がいなかったら、今頃、ひらめは超悪者だったでしょ? 会社関係の飲み会で喧嘩するなんて聞いたことない。手を出していたらクビだよ。分かってる?」

「うん。反省してる」

「本当に頭が悪いとしか言いようがないよね」

「うん」

「なんで、こんな男の周りに人が集まるんだろ?」

「・・・」

「さっきだって、結局、ほとんどの女子が来てたでしょ? なんだろうな。ズルいんだよ。ひらめは・・・。好き勝手に行動して、周りを巻き込んで・・・」

「ごめん・・・」

「ひらめのように生きている人間に憧れるというか、嫉妬するんだよ。普通の人間ができないことを何の苦もなく、やっているから」

「うん」

「自己中心的で、テキトーで、いつも楽しそうで、困ったときには誰かに助けて貰えて羨ましい・・・」

「ごめん。奈央、褒めてるの? 落としてるの? なんか、褒められてる気がしないのは気のせい?」

「そうなんだよ。ひらめは、褒められる人間じゃなくて、ダメな人間なんだよ。でも、みんなが出来ないことをさらりとやっちゃうから、ムカつくんだよ。ヒトとして正しくないんだけど、自由というか、好き勝手というか、自分のことだけ考えて行動しているのに、周りに迷惑をかけてないというか、迷惑をかけているんだけど許して貰えるというか、いい意味あきらめられているというか、期待されていないというか、なんか腹が立つ・・・。奈央は男子たちの気持ちが凄く分かる。一生懸命頑張っているのに、頑張ってない人が評価されるなんて変なんだよ。影で頑張ってるのかも知れないけど、そんなの知らないし、頑張ってるんだったら、頑張ってる姿を見せるべきだし、なんかズルい。ズル過ぎる・・・」

「奈央、大丈夫? 酔ってる?」

「いいから聞けよ。普通に考えてズルくない? こんなにダメ人間を演じていて、捻くれているのに、素直な人間だと勘違いされて、みんなで助けてあげなくちゃなんて思わせて、本当は何でも出来るくせに、やりたくないからやらないだけなのに、最低の人間で腹黒いのに、妙に愛嬌があるというか、嫌われるようなことをしているのに、好かれるとかあり得ない。普通はみんな、嫌われないように行動していて、それでも嫌われるから悩むのに・・・。誰にでも気があるような素振りを見せて、相手の気を引いて、勘違いさせて、相手を悩ませて、本人はのほほんと通常通り生きていて・・・。誰にでも『あなただけが特別』なんて態度で、本当はあっちこっちで特別な人がいて、そのうち、修羅場になって悩めばいいんだ・・・」

「うん、そうね・・・。でもさ、それが俺の生き・・・」

「帰る・・・」

(奈央さん? ちょっと言い訳、聞いてもらっても良いですか?)

一通り、僕の文句を言って、帰り支度を始めた奈央ですが、目も虚だし、真っ直ぐ歩けていませんでした。とりあえず、奈央を小脇に抱え、会計を済ませてお店を出ました。

さて、どうするかな・・・。

以下の投稿に続きます。

男のメンツなんてくだらない。女子に押し付けるものではない

男のメンツ。本当にくだらない。僕は男として、女子に頼られたいとか、「凄い人間だ」なんて思われたくはありません。

どんだけカッコつけようが、強がっても結局は人間の器なんて直ぐにバレちゃうし、僕の場合、守るべきメンツなんてモノはなくて、アホみたいにマウントしてくる男性には

「ああ、そうなんだ(コイツ、バカなのか?)」

「へえ、(そんなこと恥ずかし気もなくいえるお前の性格が)凄いね」

と相手をリスペクトしています。

女子にバカにされて男のメンツを潰された・・・なんてことも思わず、逆に「おいしい」と思ってしまうクズみたいな人間です。

できれば、女子からも後輩、部下からもバカにされ、気を使われない関係を築きたいと思っていて、守るべきメンツというモノがありません。それは40歳過ぎてから思っているわけではなく、若いときからずっと思っていることで、女子に主導権を渡してしまった方がラクに生きていけるのです。

ある事件があって、女子たちに囲まれて飲むことになりました。以下の投稿の続きです。

望むポジションがあるなら、努力の前にやることがある - 底辺からの視線

男のメンツを潰す女

飲み会で酔っ払いの挑発に乗ってしまい、大人気なく場の空気を凍らせ、多大な迷惑をかけてしまった参加者のうち、有志のメンバーで二次会を行うことになりました。とは言っても、男のメンツを潰された男子は男同士で慰め合っているらしく、飲み会の雰囲気を台無しにした僕は女子たちに囲まれて、ここにいるなんて世の中は理不尽なことばかりですね。

僕が「喧嘩売ってんの?」なんてガキみたいなことを言い、奈央に連れ出された後、僕に喧嘩を売ってきた輩は息巻いていて、それに賛同するアホな男たちで盛り上がっていたそうですが、ことの成り行きを見ていた女子たちから話を聞いた恭子ちゃんが、空気を読まず

「一生懸命頑張って結果を出せない男たちが、のほほんと仕事をして結果を出している人を嫉妬して盛り上がっているのってダサくない?」

と男のメンツを丸潰れにする一言を放ち、男子たちのテンションを下げ、さらに、一部始終を見ていた女子たちが加担をして男子たちを口撃し、男子たちの器の小ささを認めさせ、次回は僕に謝ることを約束させたらしい・・・・

「マジかっ! 彼らのメンツを潰すなよ。メンツにこだわって生きている男たちなのに・・・」

僕は男であり、男はメンツを大事にしていて、それを女子たちに総攻撃されたときの男子たちの気持ちも分からなくはありません。

僕の隣の席で、ことの成り行きを見守っていたさやかちゃんが

「だって、ひらめくん。悪くないじゃん? あれは明らかにあおっていたよ」

「ありがと。でも、さやかちゃん。彼らの前で、傷口をえぐるような発言はしない方が良いよ。恨まれるよ。きっと」

「そうだよ、さやか。ひらめを庇うとコイツは調子に乗るからやめた方がいい」

(・・・奈央さん、いつになく厳しくないですかっ?)

男という生き物は、くだらないメンツを大切にしていて、自分より弱い立場の人間には『強い人間だ』と思われていたいし、女子の前ではカッコいい男だと思われていたいのです。なのに寄ってたかって男子を口撃してしまっては、男子たちのメンツは丸潰れで、明日から明るい道を歩けなくなってしまいます。

ヒーローになりきれない男

そもそも、男にとってメンツとは、体面であり、名誉であり、自分の生き方をすべて総称したものなのです。つまり、男として『生きている証』であり、周りに見せたい自分であって、自分を認めてもらっていると確認するモノで、世間の評価の基準。

女子とは違って、男の世界には『弱肉強食』が当たり前で周りに人間には「なめられたくない」という基準が根底にあって、どれだけ仕事ができるように見せるか、他の男より富や権力をどれだけ持っているように見せるかなどなど、いつでも意識をして生きているのが男という生き物です。

なので、メンツは男にとって凄く大切なモノ。

僕の場合、そのメンツというものが欠落していて、女子の前では対面や名誉なんてモノは必要なくて、あるのは生き物としての本能、オスとメスの関係だけ・・・

なんて話を女子たちにして盛り上がっていたら、恭子ちゃんから急に質問が飛んできました。

「そういえば、ひらめくん。女子たちに囲まれているのに、普段と変わらないね」

「恭子ちゃん。どんな意味でそんな発言をしている? 意味が分からないんだけど・・・」

「普通の男子だったら、緊張したり、テンションが上がったりするシチュエーションじゃん? なんか、女子しかいないのに馴染んでるというか、緊張感がないんだよなあ・・・」

「緊張感かぁ。二人っきりになれば緊張するかもしれないけど、今は全然緊張感はないねぇ。というか、可愛い女子たちに囲まれて落ち着くよ。幸せだよ」

「根っからのスケベなのか、実は、乙女チックな男なのか・・・よく分からないよね」

「なんか、ひらめくんって『馴れ馴れしいのにキモくない』のは、女子チックなところがあるからなのかな?」

「そうかも・・・」

なんか女子たちが勝手に納得をしはじめて、話についていけません。

女子たちの中では『ひらめの七不思議』というのがあるそうで、そのひとつ『馴れ馴れしいのにキモくない』というのがあり、他の男子から下の名前で呼ばれたり、タメ口で話しかけられると鳥肌が立つのに、僕から下の名前で呼ばれても普通。

その理由が「男らしくないから」だと一同は納得していました・・・。

その他にも『エロいのに行動しない』『女好きなのに彼女がいない』理由は、僕が男ではなく女子なんじゃないか説が浮上・・・。

まあ、そんなキャラでも良いよ。

そして、迷惑をかけた謝罪の気持ちと、僕のために戦ってくれた感謝の気持ちを見せるため、この場は僕の奢りでお開き・・・。痛い出費でした。

以下の投稿に続きます。

好き勝手に生きていて諭されるのは分かるが・・・ - 底辺からの視線

望むポジションがあるなら、努力の前にやることがある

こんな話をすると夢も希望もないのですが、面白い仕事をしているポジションについている人間は類稀なる才能と地道な努力によって勝ち取ったなんてことはありません。

実際には、どれだけ努力をしても理想とするポジションになるということは、ほとんどありません。人が育ってポジションに相応しい人材になるということはなくて、無理矢理、そのポジションを経験するから、そのポジションに相応しい人間になるというのが現実です。

プロジェクトリーダーを演じることで、プロジェクトリーダーとしての役割を覚え、いつの間にか、一人前のプロジェクトリーダーとして認められるようになるのです。

「プロジェクトリーダーになりたい」と思うのであれば、仕事をそこそこ覚えたら、プロジェクトリーダーを実際に経験するのがイチバン効率が良くて、一生懸命努力をする必要なんてありません。「まだ出来そうにないから」なんて逃げていても、プロジェクトリーダーとしてのスキルは身に付かず、いつまで経っても理想のポジションにつくことは出来ません。

自信がなくても、とりあえず理想のポジションの仕事をしてみることが大切です。

とりあえず、やってみることが大切

僕が理想とする会社でのポジションは『会社のお荷物』で、仕事をしないでお気楽に働くことだったのですが、不運にも『プロジェクトリーダー』という面倒くさそうで、大変そうなポジションに本人の意思に関係なく、収められてしまいました。

以下の投稿の続きです。

仕事ができる人間のポジションに最速でつく方法 - 底辺からの視線

とは言っても、右も左も分からないポジションで、何をして良いかも分からず、メンバーの方々に言われたことを僕なりに理解して、周りと調整をすること、そして多大に発生する雑用を一手に引き受け、怖い人たちの前で進捗と問題点を報告し、胃が縮む思いをしながら質疑応答に答える・・・。なんか、最初に言われたこととは違うけど、言われたことはしっかりとやらないと僕の存在価値がない訳で必死に食らいつき、理不尽なことでも淡々とこなしていました。

「ようわからんけど、言われたことをどうやって解決するか」しか考えておらず、みんなの雑用係として、メンバーの方々が動きやすいようにあちこちに顔を出し、調整をしていただけで、プロジェクトのマネジメントとか、リーダーシップなんて知らないから、次から次へと発生することを片っ端から片付けていくだけ。

からみ酒に見舞われる

そんな多忙な時期に、参加したくない同期会という名の飲み会、仕事をしている人間の自慢大会に参加することになりました。僕は相変わらず、下座の女子たちと和気あいあいと花火大会や夏祭りの話題で盛り上がり、女子たちの浴衣姿を想像し、そんな女子たちと楽しい『ひと夏の思い出』を作る方法を必死に考えていました。

上座のバリバリ仕事を頑張り、会社に貢献をすることに命をかける企業戦士、社畜、仕事人間とは違い、僕は『出世レース』にも興味がないし、会社からの評価なんて気にしておらず、クビにならない程度に仕事をする。と公言をしていたのに、噂が噂を呼び、同期の中でも『実は仕事ができる人』なんて僕が望まないレッテルを貼られてしまっていたのです。

「ひらめさん。お疲れっ!」

いつもは上座から動かない奴が珍しく下座の僕の目の前に移動をしてきました。

「うん。お疲れ」

「なんか、大変なプロジェクトを任されたらしいですね」

「大変かは知らんけど、やってるよ」

「上手く行きそうなんですか?」

「まあ、順調だよ」

「プロジェクトリーダーって大変ですよね?」

「そんなことはない。というか、仕事の話したくない。酒が不味くなる」

「なんか、冷たいっすね。仕事ができる男は違うっていうか・・・」

「喧嘩売ってんの?」

なんとなく不穏な空気が流れ始めてきたとき、奈央と恭子ちゃんがすっ飛んできて、僕たちの間に入ってくれました。

「ほらほら、からまない。席戻るよ」

恭子ちゃんが絡んできた男を上座に連れて行ってくれ、奈央は僕のところにきて

「ひらめ。イライラしないっ」

「だってあいつが・・・」

「良いから、ねっ」

(めっちゃ目が怖い・・・。睨まないでください・・・)

「だって・・・」

「恭子、ひらめ、連れて出るから、後よろしく!!」

ということで奈央に連れ出されることに・・・。店の外に出ても、何かモヤモヤしていて、興奮冷めやらぬ僕の腕を押さえながら

「本当に大人げない・・・」

「絡んできたの向こうだし・・・。マジでムカつく・・・」

「ひらめ、落ち着けっ!!」

(マジでムカつく・・・。ぶっ飛ばしてやろうか・・・)

「奈央さん、おっぱい当たってる・・・」

「いいから。落ち着け!」

奈央は僕の腕にしがみつき、引きずるように駅とは反対方向に連れて行きました。少し落ち着いてきたので

「奈央さん、おっぱい・・・。大丈夫だから・・・」

「落ち着いた? 大丈夫?」

「うん。ごめん・・・」

少し落ち着いてくると、僕を掴んで離さない奈央が震えていることに気づき本当に申し訳なく思いました。

「ごめんね・・・。ガキくさかったね・・・。もう大丈夫。落ち着いた・・・」

「うん」

なんか、良い雰囲気になり、奈央を抱きしめてあげようか・・・なんて思っていたら、奈央のケータイに恭子ちゃんから着信。

「もしもし。うん、こっちは落ち着いた・・・。うん、うん、分かった。うん・・・、じゃあね」

電話を切った奈央を見下ろすと

「みんな、解散したって。恭子たち飲み直すらしいから行くよ」

「えっ? 良いじゃん。行かなくても・・・」

「迷惑をかけたんだから、頭を下げる!」

奈央の話では、まだ駅に男子たちがいるかもしれないから、恭子ちゃんたちがいる隣駅のお店までは歩いて移動するということです。

「ひらめ。本当に子供っぽいよね・・・」

「ごめん・・・」

「らしいと言えば、らしいんだけど・・・」

女子に囲まれての二次会

お店に着くと恭子ちゃんをはじめ、飲み会に参加していた女子のほとんどが集まっていました。

「あれっ? 何で腕組んでるの? 出来てる?」

なんてゲスな質問をしてくる恭子ちゃん・・・。僕はすっかり落ち着いていたんだけど、奈央はずっと僕の腕を掴んだままで、忘れていたようです。焦って腕を離す・・・。

「違う違う。ひらめが暴走しないように捕まえていただけだよ」

「なんか、怪しいんだよな・・・」

(恭子ちゃん、なんか勘が冴えてるんだよな・・・)

「しょうがないじゃん。俺だよ。奈央さんじゃなくても惚れるでしょ? 恭子ちゃんだって俺と二人きりになったら、あんなことやこんなこと・・・妄想するでしょ?」

「ないない。アハハハ。まあ良いや。座って」

「その前に・・・。本当にごめん。楽しい飲み会だったのに、クソガキみたいな行動、言動を行い、皆様に多大なご迷惑をお掛けしました。心から反省しています。申し訳ありませんでした」

と奈央に言われたように頭を下げました。

「ということで、今日はひらめの奢り。ねっ?」

「待て待て。奈央さん、何人いると思ってるの?」

痛い出費だけど、迷惑料ですよね・・・。勉強になりました・・・。

以下の投稿に続きます。

男のメンツなんてくだらない。女子に押し付けるものではない - 底辺からの視線

仕事ができる人間のポジションに最速でつく方法

こんな話をすると元も子もないんだけど、人生は運次第でコツコツと地味な努力を続けていても人生が好転する確率は高くありません。

例えば会社で「主要なポジションにつく」というチャンスはそこかしこに転がっていて、そのチャンスを掴むかは運次第なのです。誰もが断り続けたビッグチャンスが僕の目の前に差し出され、全力で拒否をしたのですが押し付けられ、いつの間にか、仕事ができる人間というレッテルを貼られ、忙しくなってしまった話です。

僕は自分では望んでおらず、できれば仕事ができない『お荷物社員』として一生を過ごせれば良いと思っていたのですが、理不尽な理由で仕事を押し付けられ、いつの間にか、本人は望んでいないのに仕事ができる人間としてのポジションを手に入れてしまいました。

誰もが逃げるビッグプロジェクト

絶対に慣れないと思っていた社会人としての生活にも慣れ始めた夏頃、職場で不穏な空気が流れていました。というのも、仕事ができる先輩が急に長期療養に入ることになり、その先輩が進めていたビッグプロジェクトを誰が引き継ぐかという話が持ち上がってきました。

当時の僕は新人で、さらにいうと「仕事をしない人間」という嬉しい免罪符を頂いていたので、どこ吹く風で戦況を眺めていました。年功序列で、先輩たちにお声が掛かっていたので新人の僕は絶対に回ってこないとタカを括っていて、さらにいうと、同期の野田は「早く仕事ができるようになりたい」とか「仕事を任せてくださいよ〜」なんて上司に公言をしていたので、僕たち新人まで仕事が落ちてきても、僕の出番はないと思っていたのです。

ですが、流石の野田もビッグプロジェクト過ぎて尻込みをして「他の案件が・・・」なんて逃げやがり、特に担当プロジェクトがなく、先輩の仕事を手伝っていた僕にお声がかかりました。僕は職場で一番、手が空いていたのですが「やりたくない」とか「できるイメージが湧かない」なんて大騒ぎをして断りました。

ちょうど10時の休憩に先輩女子社員たちとコーヒーブレイクをしていたら、僕の教育係の先輩(仮に『石田さん』とします)がやってきて

「ひらめ。会議で呼ばれてるから来いよ」

なんていわれ、先輩女子社員たちに「ひらめくん、クビ宣告だね」とか「子供みたいに駄々をこねるから」なんて深刻な顔で送り出されました。

(・・・あの断り方は大人気なかったかな)

ちょっと反省をしながら石田さんと会議室に入るとお偉いさんが勢揃い

(怖えー・・・)

「早速なんだけど、あのプロジェクトをやる人がいないんだ。どうしてもやれないか?」

「先輩方が出来ないって言ってるのに、僕が出来ると思いますか?」

この一言で、場の空気を凍らせました。空気が読めない人間とはこういうモノです。

「会社として全面バックアップをする。社内業務、他部署との調整。メンバーへの指示は石田を含め、部課長で行う」

「つまり、何をすれば良いのですか?」

「プロジェクトリーダーとして、お客様の前に出れば良い。もちろん一人ではなく営業も同行してもらう」

「ちょっと質問して良いですか? お飾りでリーダーを務め、実質的には何もしなくて良いという話で間違いないでしょうか?」

「・・・そうだね。言い方は悪いけど、つまるところ、そういうことだね」

「良いっすよ。なんだ、みんな逃げるから、大変なのかと思ってた。大丈夫っす。やります」

後から石田さんに聞いた話だと、本来は社内調整、お客様との打合せ、メンバーへの指示をしてプロジェクトを進めるのがリーダーとしての仕事なんだけど、僕が出来る訳がないので、会社一丸となって手分けをして僕を助けようと考えてくれたみたいです。

順調な進捗のプロジェクト

自分でいうのも何ですが、僕は変な才能というか、実はプロジェクトリーダーになるために生まれてきたんじゃないかと勘違いをする位、順調にプロジェクトを進めることができました。

数十人のメンバーが機嫌よく働けるように、みんながやりたがらない雑用をこなしつつ、メンバーの話を聞き、あちこちに調整をかけるのが僕の与えられたポジションで完璧にこなしていました。さらに、周りが『ひらめだから』と優しい目でみてくれたので問題があるハズありません。

さらにいうと、システム開発の納期が遅れるのは決まっていない仕様があるからで、尻の軽い僕はお客様の元にすっ飛んで行き、お客様と一緒にどうすれば効率が良いかを考え、仕様を決めてくるのでほぼ工程通り、若干前倒しで進んでいました。

実際には何もしておらず、あちこちに行って雑用とお喋りをしていた感じなのですが、唯一の仕事、進捗報告時に周りが不思議がるほど、順調でした。

そんな忙しい? 合間を縫ってちゃんと飲みには行きます。

他人に褒められるのも悪くない

その娘(仮に『奈央』とします)は社会人になって数少ない飲み仲間で毎週のように飲むようになっていました。

「なんか、ひらめ、仕事頑張っているらしいね。お姉さんは嬉しいよ」

「・・・奈央さん、僕の方が年上だし、奈央さんが喜ぶ理由もない」

「あんなに仕事したくないと言っていたひらめがバリバリ仕事をしているのが嬉しくてさ」

「今でも、仕事なんてしたくないよ・・・」

「それは本心かね?」

「本心だよ。仕事をしてるからって給料が上がる訳でもないし、忙しくて遊びにも行けないし、周りはみんな年上で気を使わなければいけないし、できることなら『会社のお荷物』に戻りたい・・・」

「順調?」

「うん。全社あげてバックアップしてくれてるからね。これで失敗したら俺のせいじゃないよ」

「そっか。良かったじゃん。お姉さんだけがひらめを信じていたんだよ。やればできる子だと思っていたんだ・・・。今日は嬉しくてしょうがない。うんうん」

(ひとりで納得しているよ・・・)

「仕事の話は終わりっ! お酒が不味くなる」

「せっかく奈央が褒めてあげてるのに」

「ありがとう。でもさ、大きな仕事も、小さな仕事も関係ないじゃん? 俺は今までだって会社から求められることはやってた訳だし・・・。今回はたまたま求められたのが『お飾りリーダー』だっただけで、言われたことを粛々とこなしてるだけなんだよね」

「何? お飾りリーダーって?」

「あれ? 言ってなかったっけ? リーダーとは名ばかりで雑用係なんだよ」

僕はコトの成り行きを奈央に説明しました。

「奈央が聞いてる話と違う・・・。誰もやりたがらない仕事をひらめが、嫌々ながら、周りの猛者たちに揉まれ、獅子奮迅の働きをしている。このままでは精神的に潰れてしまうかも・・・。って聞いたんだけど・・・」

「すげ〜な。噂って・・・。実態は、今までは石田さん専属の雑用係だったのが、数十人の雑用係になっただけで、やってることは変わらない。確かに、仕事が出来る先輩たちが心地よく働けるように、できる限りの雑用を引き受けて忙しくしているけど・・・。精神的に追い込まれることなんてないよ。みんな可愛がってくれてるしね。どこで尾ひれがついてんだろ?」

「なんか心配して損した気分だよ・・・」

「えっ? 奈央さん、心配してくれてたの?」

「するでしょ? 普通・・・。凹んでいるなら慰めてあげようと思ってたのに・・・」

「あっ、うそ。めちゃくちゃ凹んでる・・・。優しいお姉さんに慰めてもらいたい。ねっ」

「『ねっ』じゃないし・・・。やっぱり、ひらめはひらめだったか・・・」

「俺は変わらんよ・・・」

「そうね。そう言えば来週の同期会なんだけど、とうとう離脱者が出たらしいよ」

「どういうこと?」

「総務の娘が今月いっぱいで辞めるらしい・・・」

「仁美ちゃん? なんか心配してたんだよね・・・。電話してても元気がないというか・・・」

「えっ? 連絡取ってるの?」

「この間、電話貰ったんだよ。何の話をしたっけな?」

「同期とそんなに連絡取ってるの?」

「仲の良い娘たちからは、たまに電話ある。話するだけ、何もない」

「なんか、隠してる?」

(睨まないでください・・・)

「仁美ちゃんとは何もない。ほんと、電話で話しただけだよ」

「他の娘は?」

「恭子ちゃんは『合コンしてよ』って言われたけど実現してないし、さやかちゃんはドライブに連れてったでしょ? あと、マナからは・・・」

奈央の目線が刺さる・・・

「ごめん、睨まんでもらっていい? 別に奈央に隠してた訳ではなく、なんか忙しくて・・・。いや本当の話、さやかちゃんとのドライブ以外は何もない。神に誓って」

「先に約束した奈央より先にさやかを乗せたのが腹が立つ・・・」

「ごめんて・・・。今度行こうよ」

「ひらめらしいというか・・・。なんかなあ・・・」

なんとなく、このままでは精神的に追い込まれる気がしてきました。

「そう言えば、仕事ができる『ひらめ』って凄くない? テキトーでやる気がないのに仕事ができる・・・。100%嫌な奴、確定だよね。もう同期会には行かん方が良いね。なので、もう行かない。決めた。絶対に絡んでくる輩がおるし、女子たちのケータイ番号もコンプリートしたし、場が荒れるから行かない・・・。奈央さん、後はよろしく!!」

「でも、行かないと『ひらめは変わった』とか思われちゃうんじゃない?」

「ダメかな・・・」

「・・・」

荒れに荒れた飲み会の話は以下の投稿に続きます。

望むポジションがあるなら、努力の前にやることがある - 底辺からの視線

人間の評価は勘違いで生まれ、本当のことは誰も知りたくはないという話は以下の投稿で解説しています。

ヒトの評価は勘違いでされる。そこを忘れてはいけない - 底辺からの視線

 

「苦労は買ってでもしろ」なんてことはない。苦労なんてしない方が良いに決まっている

「苦労は買ってでもしろ」なんてよく言われるけど、苦労をしまくった46歳の親父からすると苦労なんてしない方が良いに決まっています。

一番良いのは、苦労もなく、楽しく生きること。できるだけ苦労を避けるために労力を使うのが正しい生き方です。

苦労なんてしたくないと思っていても、向こうから勝手にやってくるのが苦労です。一生懸命、苦労を避けようとしているのに嫌でも襲ってきます。なので、苦労をするために苦労をするなんて愚行であって「楽しく生きるために」致し方なく苦労を味わえば良いのです。

特に仕事をしていると理不尽なことや不運としか言えないようなことが平然と起こるのが世の中で、行動の目的を達成するためには乗り越えなければいけない苦労があるだけです。苦労なく目標が達成できるのが一番ラッキーで、苦労をしないためにあれこれと準備をするのが正しい生き方です。

まだまだ残業休出、会社のために働くことが当たり前で、仕事をバリバリするビジネスマンが世間で、もてはやされていた2000年頃のお話です。

当時、僕は新卒のサラリーマンで、効率が悪い働き方に対して悶々とし、上司や先輩に噛みつき「『苦労は勝手でもしろ』というだろ? それが今だ」と訳のわからない理由で、立派な社畜になるための教育的指導を受けていました。

「苦労は勝手でもしろ」だと?

入社して約半年。同期で僕と同じ職場の男子が「会社を辞めようと思っている」なんて相談を受けました。彼(仮に『坂本くん』とします)は専門学校を卒業し、ちょっと繊細な感じを受ける線の細い男の子でした。

僕は社会人らしからぬ服装、行動をしていたので、同期の中では『落ちこぼれ予備軍』のトップとして周りから認められつつも、職場ではラクをするために必死に自分のポジションを確保し、それなりに仕事をこなしていました。

坂本くんは、そんな社会不適合者の僕を何故か慕ってくれていて、職場ではいつも寄ってくれてきていたのですが、夏過ぎくらいから忙しそうというか、明らかにキャパオーバーで仕事をしていました。

「坂本くん。ちょっと飲んで帰ろうよ」

「もう少し仕事をして帰らないと・・・」

「知ってる? 『明日できることは明日やる』んだよ。行こうよ」

「・・・後、10分待ってもらえますか?」

「うん。喫煙所にいるよ」

ということで、坂本くんと飲みに行くことに・・・。

「「お疲れ様!!」」

「なんか、最近忙しそうじゃん? 大丈夫?」

「仕事ができないから、先輩たちに迷惑をかけちゃうんですよね・・・」

「坂本くん。できないことはできないって言わんと」

「・・・そうなんですけど、なかなか言えないんですよ・・・」

「そうか。まあ良いや。飲もう」

坂本くんはどちらかというと要領が悪いというか、何をすればどうなるかという想像力が足りないと感じていたので、なんとなく心配になっていたんだけど予感が的中したというか、想像をしていた通り、仕事に押しつぶされてしまう寸前でした。

「ひらめさん。僕、会社辞めようと思っているんです・・・」

「マジかっ? まあしょうがないよね」

「『苦労は買ってでもしろ』なんて言われたけど、やっぱりツラい・・・」

「そうか・・・」

「良いですよね。ひらめさん。仕事で苦労をしている感じがないというか、余裕があって・・・。僕、頭悪いじゃないですか? なので一生懸命、仕事を覚えようと思って頑張っていたんだけど、やっぱり無理でした・・・」

「そうか・・・」

「苦労なんてしたくないけど、何をするのもツラくて・・・」

「うん・・・。苦労なんてしない方が良いよね・・・」

「野田さんみたいに忙しくても頑張れる根性があるか、ひらめさんみたいに仕事をしないか・・・。なんか上手くいきませんでした・・・」

野田とは僕たちの同期で、出世することに命をかけているウザい人間でした。ちなみに僕は仕事をしていないわけではなく、自分のキャパ以上のことはやらないだけで、新人のキャパなんて小さいので、結果的に仕事をしていなかっただけ。

なんか、社会人の底辺で生きる人間同士、しみったれたお酒になってしまいました・・・。

仕事での苦労は必要か?

仕事をしていれば、理不尽なことや不運なことは必ず降りかかってきて「悪いのは俺か?」「俺は悪くない」なんて感情を押し殺し、ただ淡々と目の前の仕事を片付けていくことにだけ集中をすれば良いのです。

同じ苦労でも、自分のスキルを高めるための苦労はしなければならないのですが、それは仕事をラクにこなすための手段であって、苦労ではありません。類稀なるセンスの持ち主で、頑張らなくても稼ぐことができるなら、苦労なんてする必要はない。

僕は苦労を売りたいくらいしてきたけど、一度も苦労をして良かったなんて思ったことはなく、できることなら苦労をしなくて済むように準備をしてきました。

苦労をすることより、苦労を避けるために試行錯誤をする方が大切で苦労をしたからと言って良い人間になるとは思わないし、むしろ楽しく生きている人間の方が余裕があり、周りの人間に優しくできるのではないでしょうか。

一瞬で相手との距離を近づけるコツは、相手の名前を呼ぶことです

僕は、会社では馴れ馴れしいキャラを演じています。本当は人見知りだし、好き嫌いも激しく、思ったことが顔に出てしまう性格なので、会社生活には向いていないと自覚をし、会社では、誰とでも仲良いキャラとして生活を送っています。

そんな僕は他人との距離を近づけるために必ず、会話の時に相手の名前を呼ぶようにしています。これは本当に些細なことなのですが、名前を呼ばれて嫌な気になる人は少なく、名前を呼ぶことで会社という組織の人間ではなく、個人として話してもらえるような気がします。

これは、元々、ナンパ師を名乗る友達から聞いた話で、仕事でもプライベートでも気にしている行動です。ちなみに、我が友は「女子は名前で呼ぶことで特別な存在だと思うんだよ」と言っていましたが、これは男女関係なく「個人のあなたと話しているんだ」という印象を相手に与え、一気に距離を近づけることが可能なのです。

本当に些細で地味なことなのですが、効果は抜群でいつの間にか、お互いに心が通じるようになります。

もし、あなたが人見知りで、誰かと仲良くしたいと思うときは「荻野さん、おはようございます」とか「荻野さん、お疲れ様」と名前を呼んでみてください。馴れ馴れしく呼ぶ必要はありません。

簡単ですよね。

名刺交換時に名前を覚える

僕は学生時代から、人の名前と顔を一致されるという作業は誰にも負けないように心がけていました。一度、話をしたら次に会うときは必ず「〇〇ちゃん、久しぶりっ!」と声をかけるように意識をしました。

というのも、意識的に名前を呼ぶことで自分の記憶を固定させるという目的もありました。

変な話、飲み屋のお姉さんの名前も直ぐに覚え、次に行ったときは名前で呼べるくらい顔と名前を一致させる訓練をしていました。

そして、この能力はプライベートだけでなく、仕事でも役に立ちます。社会人になり、名刺を貰う機会も多いと思いますが、見たことあるけど思い出せない相手・・・なんて思う人とビジネスをしたいと思いますか? ないですよね。

例えば、会社近くの飲み屋で飲んでいる時に「〇〇さん、お久しぶりです」と声をかけられると嬉しくないですか?

つまりそういうこと。媚を売っている感じてはなく、簡単に媚を売ることができるのです。そして、そんな地味な活動で社会、経済は回り始めるのです。

名前を忘れないためにも呼ぶ

せっかく一致させた顔と名前も時が経つと「顔は出てくるんだけど名前が出てこない・・・」ということが、どうしても発生してしまいます。

なのであったとき、電話で話すときは意識的に名前を呼ぶように気をつけています。さらに相手が僕の名前を覚えていなそうなら名乗ることも忘れません。

そうすることで相手も僕の名前を呼んでくれやすくなるような気がします。

僕は人見知りだからこそ、少しでも相手との距離を縮め、僕自身を認めてもらう方がラクだと思っています。知らない人と話すより、少しでも心を開いてくれた人と話す方が話せる気がします。

相手との距離を近づけるコツ

馴れ馴れしい態度は必要ありませんが、相手の名前を呼ぶだけで相手との距離を近づけることができます。

人見知りだからこそ、名前を呼ぶ必要があります。お客様や目上の人には挨拶をするときに「〇〇さん、おはようございます」とか「〇〇さん、何か手伝うことないですか?」と名前を呼ぶ、後輩や女子には「〇〇くん、俺、帰るけど何かある?」「お疲れ様。〇〇さん」と声をかけるときに名前を呼んでみて下さい。

本当に些細なことですが、簡単なことなので実践してみて下さいね。