底辺からの視線

中年親父目線で気づいたことを雑記的に書き殴るブログ

オリンピック男子サッカーで知る魅せるプレー

昨日行われたオリンピック男子サッカーは日本の対戦国である南アフリカの選手から陽性者、濃厚接触者が確認され、開始時間ギリギリまで試合が開催されるか分かりませんでした。試合があるのか、なくなるのかお互いにモチベーションを保つのが大変な大会になってしまいました。

連日の猛暑の中、熱い戦いをしているソフトボールの日本代表の上野選手は選手生命が長いですよね? 僕の記憶では北京オリンピックでは「神様、仏様、上野様」なんて昭和のパロディみたいなキャッチコピーを見かけた気がするので最低でも13年もトップトップで活躍してされているのです。二日連続の登板ですが上野選手は楽しそうにプレーをしますよね。ベテラン何嬉々としてプレーをすることで若手もリラックスできるのではないでしょうか。

それにしても東京は暑く、スポーツをする環境ではありません。昨晩開催された男子サッカーは東京会場で行われたのですが20時の時点でエアコンなしでは耐えられない暑さでした。その中で90分間、走り続けることは本当に大変だと思います。だからと言って効率よく手を抜くプレーをされると応援する気にならないのです。もちろん、私もスポーツをしていたので、効率よく勝つために必要のないときはサボる必要があるのは理解しています。男子サッカーは中2日の過密日程で最大6試合もあるので体力の温存も必要になってきます。でも、もっと上手くサボって欲しい。

男子サッカーはオリンピックまでは年齢制限があり、若手の選手です構成されています。そこにオーバーエイジ枠として年齢解除枠があるのです。僕はオーバーエイジ反対派なのですが、その話は別で。

もうオーバーエイジ吉田麻也選手、酒井宏樹選手、遠藤航選手のサボり方が上手く、一攫千金のゴールを決めた久保建英選手を始め、堂安律選手など若手選手との差が歴然としていました。スポーツなので勝つことも大事ですが、エンターテイメントのスポーツとして魅せることも大事なのです。

マチュアスポーツの祭典であったオリンピックもいつの間にか、プロばっかりになり、特に男子サッカーは昔なら漫画の世界であった海外リーグで普通に活躍する選手が沢山いるのに、まだまだ自分のためにプレーをしていて魅せる余裕がありません。その点、オーバーエイジ枠の選手はサボり方が上手い。

どうしても素人、にわかファン、勝利至上主義で育てられた可哀想な人たちは、ボールとその周辺で行われているプレーしか見ていませんがサッカーの場合、ピッチの逆サイドや攻撃時の守備陣、その反対もショーステージ上にいるのです。つまり90分間、常にファン、サポーターの目に晒されているのです。そこでサボると目立つのです。

昨日の試合で散見されたのが、パスを出した選手が足を止め、棒立ちになるプレー。本来は日本のように体格や身体能力ですが劣るチームは頭を使い、いつでもボールの近くでは数的有利になるようにプレーをしなければなりません。

これはオリンピック代表だけでなくトップトップも含め、高校サッカー、中学、小学生まで一貫して日本のサッカー協会が目指すサッカーなのです。公認指導者講習会でも口を酸っぱく言われます。

数的有利を作るためには相手より長い距離を走る必要があり、灼熱の環境で行うにはキツく酷い作戦です。なのでサボるのは理解します。というか、上手くサボれ。パスを出した後にリターンパスを受けるフリ、ポジション調整するフリ位はしろ。受ける気がないのも知っているし、戻されてもツラいのは理解しています。だけど、やってるフリだけはしないといけないのです。頑張っているフリをしないといけないのです。仮にも普段はプロとしてプレーをしているのだから意識をして欲しい。ボールをこねるのが上手いのも、ドリブルのテクニックがあるのも、シュートの精度が高いのも、素晴らしいと思います。そんな派手なプレーで魅せるよりも、地味なポジション調整だったり、クビを振って状況確認をしているフリだったり、いつでも見られているという意識が低いとプロとしてやっていくのは難しいのかと感じます。

その点、オーバーエイジ枠の吉田麻也選手、酒井宏樹選手、遠藤航選手はプロで上手くサボっていました。遠藤航選手はボールを捌いたあと、必ずリターンが貰えるように動くフリをしていたし、ビルドアップのときボールを貰っても何もできないし、貰いたくないタイミングでも受けるフリをしていました。

魅せるプレーとは派手なゴールやドリブルだけではなく、こういう細かいところなんです。素人、にわかファン相手にアピールするなら派手なゴール、ドリブルで魅せればチヤホヤして貰えます。ですが、プロとしてサッカー眼があるサポーターに愛される選手になるのであれば、90分間チームのために頑張っている、サボってないアピールが必要なんです。

特に大きな大会で子供たちも沢山見ていて、サボるプレーが当たり前だと勘違いするアホな指導者とそれを信じてしまうピュアな子供たちがいるのです。暑くてツラいのは理解しています。でもプロとしての意地を見せて欲しい。90分間、ピッチに立っているということは常に見られていることを意識してして欲しいものです。森保監督、そこんとこ、ちゃんと指導して下さいね。