底辺からの視線

中年親父目線で気づいたことを雑記的に書き殴るブログ

生き残る組織にするために必要な人間

人間が他の動物と違い、ここまで高度で複雑で難解な世界を作り上げたのには、妄想をする能力が備わっているからなんです。経験や知識からだけでなく「こうなりそう」とか「こうなるんじゃないか?」と言った将来を想像し、どうなれば幸せか、幸せになる自分を妄想し、その妄想を実現するために試行錯誤し、工夫を重ね、成長し、発展してきました。妄想するチカラがなければ、ここまで人類は発展してこなかったのです。そこには揺るぎない芯のようなものが必要で、それが価値観であり、信念であり、理想とする姿、目標や期待、希望、野望なのです。

脳科学的には

妄想とは明らかな反証があっても確信が保持される、誤った揺るぎない信念である。

世界の常識が正しいとは思わず、常に常識を疑い、各個人が常識、定理、法則に猜疑心を持ち、本来の意味を吟味し、自ら選択、改善していくことが人類の発展につながるのです。

人間には大きく2種類のタイプがいて、ひとつは「過去」の経験や知識に縋るタイプ。もうひとつのタイプは「未来」に向かって妄想を繰り返し突き進む攻撃的な人間です。もちろん、どちらも行き過ぎると困った話になってしまうのですが、未だかつてない稀有で、平和で安全な平事ではなく、緊急事態の時は後者の「未来」を妄想し、突き進む攻撃的なリーダーが求められるのです。

常時、平和で安心で牧歌的にのんびり生活が送れる訳はなく、不運は不意に襲ってきます。今回のコロナ禍でもそうですし、大雨や台風、地震などの自然災害、小さな所で言えば、理不尽でクソみたいな顧客からの被害、想像を絶するほど何もしていない同僚の尻拭いなど、想定外のことは日常茶飯事に起こります。そんな時に恥ずかし気もなく「想定外だった」とか「過去に経験のないことだから」と語り、自分は悪くない、悪いのは環境だとか責任転嫁をするリーダーにはついて行く気にはなりません。

現代に求められる人間は、みんなから煙たがられている「自分の信念を持ち、信念を曲げず、妄想を繰り返して突き進む人間」なのです。ただ、そんな人間は子供の時からアホな大人に迫害され、周りに合わせることを強要され、爪弾きに合い、叩かれ、変わり者、狂人と呼ばれ真っ当な道を歩いてはいません。平事では周りに合わせ文句も言わず、大人しく目立たない人間の方が良いのです。

徳川幕府が300年続いた理由も、徳川家によって平定された世の中で、妄想を繰り返し改革を進める鼻つまみ者を排他し、従順で大人しい過去の経験と知識で生きる人間を重宝した結果です。さらに日本の大企業の多くも同様に過去にすがる人間で形成されています。

そんな人間が重宝され、評価される組織では、クソみたいに現状維持にこだわり、リスクから逃げれば逃げるほど雪だるまのようにリスクが大きくなるのに気づかないのです。そして、そのリスクを気づく未来思考型の妄想野郎は煙たがられ、変人、狂人と爪弾きに合い、意見を聞いて貰えず、あきらめ、離れて行くのです。

平事に強い組織、社会が未来永劫続くというのは幻想で、実現不可能なのです。いくら強い組織にしても予想もしない不運は必ず襲って来ます。そんな有事に対応する人間を排他し、従順な人間で固めた組織はモロいのです。江戸幕府は黒船の来航と言う外的要因により脆くも崩れ落ちました。300年も続き、誰もが幕府が倒されるとは想像もしていなかったのに、呆気なく明治維新が成立したのです。

これからの平事になるまでには、ツラく長い道のりが続きます。今まで鼻つまみ者だと言われ、迫害されて来た妄想野郎が活躍する時代です。残念ながら、煙たがられる「自分の信念を持ち、信念を曲げず、妄想を繰り返して突き進む人間」が必要になるのです。そんな貴重な人間が近くにいたら、どんな手を使ってでも確保に走ってください。

hirame18.hatenadiary.jp